「全員野球」で作った映画『距ててて』スタッフ座談会:河本洋介×三村一馬×西野正浩×加藤紗希×豊島晴香(前編)

[インタビュー・構成・文:天野龍太郎]
現在、東京・ポレポレ東中野にて上映中で、全国の劇場で順次公開される映画『距ててて』。ここでお届けするのは、『距ててて』のスタッフたちによる座談会です。撮影の河本洋介さん、録音・音響の三村一馬さん、照明の西野正浩さんをお招きして、監督の加藤紗希さん、脚本の豊島晴香さんとともに、5人でおしゃべりをしてもらいました。話してもらったのは、現場で感じたこと、それぞれの製作への携わり方、秘蔵(?)のエピソードなどなど。


映画を語る時、あるいは映画が語られる時、撮影や録音・音響や照明といった「テクニカル」で「専門的」とされる部分に焦点が絞られることは、めったにありません。大抵は、その作品の「作家」であるところの監督の演出や脚本家の物語、そして「主役」とされる俳優の演技が、特に重要視されます。でも、どうして今回こんな座談会をおこなったのかといえば、『距ててて』という作品が、「ある一人の強権的な作家がつくった映画」ではないからです。言うなれば、『距ててて』の製作は「全員野球」のようなもの。「裏方も表方もないのだ」と、私は5人の話を聞いていて思いました。


そうであるからこそ、この座談会は、『距ててて』という映画の見え方を数段回ぐっとクリアにしたり、その製作の特異さに気づかせてくれたり、別の楽しみ方やおもしろさを教えてくれたりするものなのではないかと思います。彼らの言葉から、スクリーンに映っているもの、画面に見えているものだけではない、映画のおもしろさが浮かび上がってくるのです。


ひとつ余計なことを言って話を広げてみると、普段は「裏方」とされている人々がいかに「作家」という主体であり、作品を直接的につくりあげているかということも、この座談会は伝えていると思います。「あの映画はあの監督が作ったのだ」という、すべてを作家主義に還元するものの見方や捉え方には必ず限界があって、実は、映画というものは、無数の縦糸と横糸が織りなす複雑なテキスタイルのようなものです。『距ててて』という映画は、そんな当たり前のことに、改めて気づかせてくれる作品であるとも言えます。


さて。前置きが長くなりましたが、まずは座談会の前編をお楽しみください。なお、本文では、特に後半で物語の核心に触れる部分、いわゆるネタバレがありますので、できれば映画をご覧になってから読んでいただくことをおすすめします。

■これ、おやつの話ですか?


――「インタビュー」となると堅苦しくなっちゃうかもしれませんが、今日は肩肘張らずにお話しいただければと思います。

三村一馬:ですって。

西野正浩:って言われても、無理だよね(笑)。

豊島晴香:チーズおかきとか、買ってくればよかったね。


――……チーズおかき(笑)?

三村:河本さんがいちばん好きなお菓子なんです。

豊島:みんな、お菓子をめっちゃ食べるんだよね。休憩時間に河本さんがチーズおかきをめっちゃ食べてたから、私たちは毎回、チーズおかきを現場に置くことにして(笑)。

河本洋介:あれはうれしかった(笑)。

豊島:ご飯も「1杯じゃ足りない」って言って、みんな3杯ぐらいおかわりしてたよね。

河本:ご飯はおいしかった〜。

三村:ご飯はずっとおいしかったです。

豊島:撮影現場って普通、お弁当を用意するんだけど……。

加藤紗希:ケータリングとかね。

豊島:そうそう。でも、冷たいものより、あったかいものをみんなで食べたかったし、私たちの現場では、みんなにおいしいものを食べてほしいと思って。特に今回は家での撮影が多かったから、当日に出演する予定がない俳優も来てくれて、分担してご飯を作ったりとか、色々なことをやってもらったんだよね。(撮影場所の)家主さんが作ってくれたパターンもあって、それがまた超おいしかった。

河本、西野、三村:おいしかった!

豊島:で、休憩時間にも何かつまんで食べれるものがあったほうがいいから、おやつも用意して……。

三村:えっ、これ、おやつの話ですか?

一同:(笑)


――いや、いいのではないでしょうか(笑)。他の映画の現場にないエピソードでしょうし。

加藤:やっぱ「食」って大事だから!

豊島:でも、他の現場でも、おやつはあるよね?

三村:おやつはありますけど、チーズおかきはないかも(笑)。

豊島:みんな、「ここ(『距ててて』の撮影現場)で栄養摂ってる」って言ったもんね。

三村:たしかに、あの時期はそうでしたね。


■アットホームな現場


――『距ててて』は何日間、撮影をしたんですか?

加藤:11日だね。

豊島:1章ごとに2、3日ずつ、別々に撮っていったかな。けど、コロナの影響で3章の撮影が後ろ倒しになっちゃったから、3章と4章を連続で撮ることになったんだよね。連日の撮影って、体力的にどうでした?

河本:ぜんぜんキツくなかったですよ。

三村:うん。ぜんぜんキツくない。

西野:キツくなかった。

三村:なんでやろ。やっぱアットホームな雰囲気やったからかな。(加藤と豊島は)俳優さんやから、他の俳優のケアもすごく丁寧で。自主映画でも他の現場やったら俳優部は俳優部で分かれてるし、もうちょい慌ただしいし。

西野:もっとバタバタしてるね。

三村:バタバタして、西野さんはイライラして(笑)。

西野:してないよ(笑)。

三村:けど、加藤さんたちの現場では、そういうことはぜんぜんなかったですね。

■映画美学校の仲間たち


――では、ちょっと遅くなりましたが、3人に自己紹介をしていただけますか?

三村:三村一馬です。映画美学校のフィクション・コースの22期生で、西野さんと同期でした。普段は、録音や整音で現場に入ることが多いです。加藤さんとは何度かフィクション・コースの現場でご一緒していて、そのつながりで今回お誘いいただきました。

加藤:一回、実習で共演もしたよね(笑)。

三村:あ〜。加藤さんの弟役で。

豊島:(せりふは)「さんま焼けたよ〜」だっけ?

西野:(演技が)めちゃめちゃうまかった(笑)。


――5月28日に公開される『MADE IN YAMATO』にも参加されているんですよね?

三村:そうです。竹内(里紗)さんの作品ですね。


――では、照明の西野さん。

西野:僕は、三村の説明とだいたい一緒ですね。

加藤:最近、関わった作品は?

西野:最近は、同期の作品を手伝ってました。

加藤:西野くんは、自分で(映画を)撮ってもいるもんね。

西野:そうですね。『距ててて』が入選したぴあ(PFFアワード2021)で、僕の作品(『海がみえる家』)が一次審査を通ったんです。

豊島:ざわついたよね。「あれっ、これって、あの西野くん?」って。西野くんが映画を撮ってるって、みんな知らなかったもんね。

西野:誰にも言ってないので(笑)。


――では、撮影の河本さんもお願いします。

河本:僕は、三村くんと西野くんの(映画美学校フィクション・コースの)2つ上の期です。同期の子の撮影のキャストで加藤さんがいて、その後に『泥濘む』で呼んでもらって、豊島さんたちと出会いました。


――じゃあ、西野さんと三村さんが加藤さん、豊島さんと一緒に作品をつくったのは、この『距ててて』が初めてなんですね。

加藤:そうそう。『泥濘む』の時は、まだ出会ってない。

豊島:そもそも、2人(西野と三村)は河本さんの指名だったんだよね。

加藤:うん。河本さんにまず「新作を撮りたいです」と相談したら、「三村くんがいいと思う。あと、次は照明を入れたほうがいい。照明は西野くんがいいと思う」と言ってくれたので、私も2人はいいなと思ってたから、「じゃあ、もう、その3人でいこう」となったんです。


■俳優の孤独感がない


――今日の取材の前、豊島さんは現場で心がけていたことを教えてくれましたよね。最近、映画の製作・撮影現場でのハラスメントが問題になっていることも意識していたのだとか。

豊島:私は圧をかけられると演技がのびのびできなくなるタイプで、それで苦しんできたんです。なので、自由にのびのび演じてこそ、その俳優がいちばん魅力的に見えるんじゃないかと私も加藤さんも思ってて、そういうふうに演技できるように務めてました。あと、スタッフさんに関しても、私たちが「こうやってください」とお願いするより、それぞれが自主的に「こうやってみたい」、「こうやりたい」ということを持ち寄ってもらったほうが、絶対豊かな作品になると思ってて。みんな各セクションのプロだからその判断をめちゃめちゃ信頼してるし、せっかく参加してもらうのであれば、作り手として作品づくりを楽しんでほしい。そういう空気感は、すごく意識してたというか……。

加藤:うん。そうであるといいなって。


――先ほど、ご飯の話がありましたが、3人が感じた他の現場とのちがいはありますか?

西野:俳優の孤独感がない感じはあったよね。

三村:たしかに。

西野:それはすごくよかったですね。他の現場だと俳優部って分かれてて、ちょっと孤独感があるっていうか、あんまり他のセクションとは関わらないし。

豊島:作り手としてみんながフラットであるというよりは、(俳優は)「作り手に呼ばれた人」という分け方をされることが多い気がするかな……。

加藤:うん。良くも悪くも、「ゲスト的」というかね。「呼ばれて行く」という感じだよね。

豊島:言い方はあれだけど、演じることしか求められてないというか……。作品に口を出しすぎちゃいけないっていう思いを持ってる俳優もいると思うし。西野くんは、『距ててて』の現場では、そういう作品づくりの点でも俳優が同列に関わってるって感じてくれたのかな?

西野:そうですね。同列というか……みんな、わりかし楽しそうだった(笑)。

一同:(笑)

加藤:実際、『距ててて』の製作では、みんな表(方)も裏(方)もやってくれてたから区別もないし、3人には「ここ、どう思う?」ってめちゃくちゃ聞いて、アイデアを出してもらったところがすごくある。


――監督によっては、スタッフに「こうやってください」と一方的に指示する人もいると思いますが、逆に製作陣からその都度アイデアを求められるというのも、それはそれで大変そうですね。自分たちの自主性や判断に委ねられるという。

西野:そうですね。1章は夏のシーンなのに撮影が冬だったので、大変でした。日もすぐに落ちて、室内が暗くなっちゃうし。

加藤、豊島:ごめんね(笑)。


■「家」でのスリルある撮影


――『距ててて』は、あの家で撮る、あの家を撮るということが重要だったのではと思ったんですね。その点、河本さんも大変でしたか?

河本:僕は、そんなに大変じゃなかったですね。

一同:(笑)

加藤:西野くんが「あ〜!」って焦ってる横で、河本さんは「いけます。大丈夫です」って言ってくれてましたね(笑)。2人はすごく連携を取ってくれて、「こうしよう」と相談してたのが見えてました。

河本:うん。僕は、できることをやればいいのかなって思ってたので。


――1章では、釜口恵太さんが訪ねてくるシーンで、画面の半分が壁になっているじゃないですか。なので、俳優たちが映っている部分はすごく小さい。ああいう家の構造や狭さを逆手に取った、おもしろいショットが多いと思いました。

河本:あれは、ねらったわけではなかったですね。これがいいんじゃないかなって。(カメラの置き方は)提案や相談をしながらやりました。

加藤:私の中に明確にイメージがある時は指示をして、「あんまりないな」ってところは河本さんに聞いてましたね。釜口くんが訪ねてくるシーンは「2人が入ってれば、(カメラを置くのは)どこでもいいかな」と思ってて、河本さんに相談したら「じゃあ、ここ」と明確に決めてくれて。河本さん、カメラを置くのが基本的に超早いんです。


――手持ちカメラで撮っていたところもありましたね。

河本:「手持ちがいい」と言われたところもあるし、あと「狭いから手持ちでいいか」となったところもあります。

三村:台所、めっちゃ狭かったですからね。

西野:寒かったね。

三村:猫のために台所の冷蔵庫前の床板を抜いてて、すごく危なかったんですよ。

豊島:家主さんが、猫ちゃんが(下に)降りてけるようにしてたんだよね(笑)。


――あの家に、そんなトラップがあったんですか(笑)。

三村:スリルのある撮影でしたね(笑)。


――家での撮影の難しさって、他にありましたか?

三村:暗さの問題がありましたよね。

西野:家での撮影というか、カメラのISOが1段ずつしか調整できなくて苦労したのを思い出しました。

三村:カメラって何でしたっけ? (パナソニックLUMIX)GH4?

河本:GH4だね。

■『距ててて』の音


――三村さんは、音の面ではいかがでしたか?

三村:音については、飛行機がめっちゃ多かったんですよね。空路が変わった直後か何かで、飛行機が家の真上を通るんです。それで、(撮影を)けっこう待ってもらったことはありました。

豊島:子どもの声とか、周りの環境音もめちゃめちゃ拾ってたよね。

三村:そうっすね。それはいい感じにできたかな。あと、1章でありがたかったのは、冬に夏のシーンを撮ったので、蝉の声がぜんぜんしなかったことですね。最近、夏に同期の短編を撮ったら、蝉の声がけっこうシビアで。

加藤、豊島:なるほどね!

三村:そう。その点、『距ててて』では、整音の時に後から蝉の音をのせやすかった。だから、蝉の声がしなかったのがよかったって思いました。

豊島:じゃあ、私がホン(脚本)を書くのが遅くてよかったんだね(笑)。

三村:音的に言えば、すごく贅沢な撮影やったんやないですか(笑)。

加藤:三村くんは、外でのファインプレーがすごくあったよね。3章の最後で、「ここ、めっちゃおもしろい音がする!」とか。

河本:下水の音ですよね。

三村:ああ。マンホールの下の音ですね。

豊島:3章の最後、「フー(本荘澪)と母(湯川紋子)の家を訪ねたらボロ屋だった」というシーンに「ポンポン」って音が入ってるんだけど、それは実際にその周辺のマンホールの下からしてた音で、それを三村くんが見つけてくれたんだよね。

三村:たまたまね。なので、使おうとは思ってなかったですね。撮影の帰りのバスの中で、加藤さんに(録った音を)聞かせた覚えがあります。

加藤:そうそう。それで、「これ、めっちゃおもしろい! 使おうよ!」ってなって。


――1章では、楽器の演奏が重要ですよね。あれは「演奏」と言っていいのか、よくわかりませんが(笑)。

三村:あれも難しかったですね。「あれで合ってたんかな?」と思います。

加藤:冒頭のアコ(加藤)が作業してるシーンは、アコーディオンを同録(同時録音)したんだよね。その前のアコが洗濯物を畳んでるシーンは、別の日に録音してる。

三村:お芝居のタイミングも関わってくるので、難しいんですよね。でも、加藤さんは監督兼主演だから、やりやすかったのかなって。

加藤:ばっちりハマってるし、私はあれで正解だったと思う。

三村:そうですね。幸いせりふもなかったから、動きのところだけにちょっと後で音を足したらなんとかなって。

豊島:2階から(アコーディオンの音が)流れてる設定のシーンは、実際、カメラの横で弾いてたんだよね。

三村:1章は、そういう音のギミックがけっこうあって大変だったかな。2章も、髙羽(快)くんがやってくる「ピンポン」がきっかけで……。

豊島:そうそう。私は「ふり」の芝居が超苦手でリアルな音を実際に聞きながら演じたいんだけど、現場でその音を出しちゃうと編集の時に音がつながらなくなっちゃうんだよね。それをどうするかという問題があったんだけど、私がやりやすいようにみんながすごく考えてくれて。

加藤:結局、私がカメラ横で芝居を見ながら、「ここだ」っていうタイミングで合図を出すことにしたんだよね。「ピンポン」はこの(フィンガースナップの)音、「ドンドンドン」は床を叩く音ってことにして、それに反応して演技してもらって。実際に入っちゃった音は三村くんに切ってもらって、後から音を足してもらってる。

豊島:あそこ、本当に音が聞こえてるように見えるもんね。編集がすごい。

三村:それはお芝居がいいからですね(笑)。

加藤:相乗効果だ(笑)。

豊島:チームプレイ(笑)!

加藤:音についても、ちゃんとキャラクターに合わせて考えてくれたよね。「清水(髙羽)はどのぐらいの音量でノックするかな?」「いや、清水はそんなに『ドンドン』とはしないかもしれませんね」って現場で話しつつ、映像ができたら、三村くんがそれを見て音をデザインしてくれて。

■『距ててて』の撮影と照明


――撮影と照明の連携はいかがでしたか?

河本:カット割りは、けっこうみんなに聞いて助けてもらった記憶がありますね。

西野:あと、「これは撮っておいたほうがいいですよ」とかね。(河本には)言いやすいから。優しい雰囲気だから(笑)。

豊島:4章のラストで……。

加藤:そう。西野くんが「これは絶対に必要だと思う」って主張してくれて、実際に撮ってみたらものすごくいい画が撮れて。

西野:「受け」の画ですね。2人(加藤と豊島)が「(丘を)登った」というアクションに対しての、受けの画が必要だなと。

加藤:私は横からのカットと引きのカットだけで大丈夫だと思ってたんだけど、あの(西野が提案した)カットは絶対にあったほうがよかったよね。実は「撮影OKです」「じゃあ、今日は終わりか〜」ってなってたんだけど、西野くんが「う〜ん……?」って言って(笑)。


――そうやって、スタッフがカットのことまで提案するというのはすごいですね。

加藤:私、毎日の撮影で撮ったものを、その日の夜のうちに絶対に確認して、仮編集しちゃうんですよ。

三村:めちゃめちゃ早いですよね。

加藤:それで、次の撮影日の朝に、「こんなふうになってますけど、どう思いますか?」ってみんなに見てもらうっていうのを現場でやってた。

三村:その日のうちに編集までするって人は、あんまりいないですよね。ほんまに気になるシーンとか、その日の撮影につながるシーンとかやと、やる方もいますけど。

西野:あれはありがたかった。

豊島:俳優的にも、めちゃめちゃモチベーションが上がったな〜。

■「全員野球」で作った映画


――おもしろいですね。話を聞いていると、『距ててて』は「全員野球」で作られた映画だと感じました。これほどまでに各セクションのスタッフが色々なアイデアを出し合って、それが実際の作品づくりに反映されることって、他の現場であるのでしょうか?

豊島:どうなんだろう……(笑)。どう?

三村:同期やったらみんなで話し合うことはあるけど、それでもカット割りとかはだいたい監督と……。

西野:撮影の人だよね。

三村:うん。撮影の人が決める。

西野:撮影の人、プライド高いので。

一同:(笑)

西野:(意見を)言うと、いい顔はされない気がします(笑)。

加藤:そうなんだ(笑)。

三村:そういう方もいますよね(笑)。


――撮影の河本さんは、どう感じているんですか(笑)?

河本:僕は……うれしいですけどね(笑)。


――(笑)。

加藤:でも、河本さんは、「ちがう」って思ったことにはちゃんと「ちがう」って言いますもんね。

河本:そうですね。「やってみたら?」という感じで、最初から「それはやめておこう」とは言わないようにしてました。

加藤:でも、やってみて「ちがう」と思ったら、「これはいらないと思う」って言ってくれて。

三村:たしかに言ってましたね。テストをやってみて、「これ、いらないかな〜」って(笑)。


――それでも、一応撮っておこう、やるだけやってみようと。

加藤:でも、「一応撮っておく」って難しくて。そこに、みんながエネルギーを注ぐわけじゃん? 演じ手としても、「どうやって演じたらいいの?」と思うし。だから、私はそれにすごく気をつけてて、「これは絶対必要だ」と思って撮りたいなと考えてた。

豊島:私、1章の撮影で「一応撮っておこうか」って言っちゃったことある(笑)。

一同:(笑)

豊島:それで紗希ちゃんに「それってどうなの?」と言われて、そのとおりだと思ったから、すごく反省しました(笑)。

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